チャプター 85

午後七時。ギリーから電話がかかってきた。「エンバー、あんたとあのガブリエルってガキ、いつ出るの?」

「待って、ママ。ママとパパは先に行ってて。着いたら合流するから」受話器の向こうのギリーにそう告げた。

「わかったわ」通話を切った直後、今度は見覚えのない番号から着信が入った。

「もしもし?」出ると、吐き気がするほど甘ったるい声が流れ込んできた。「お邪魔してごめんなさい、エンバー。ガラには一人につき同伴者は一人だけだって、知らなくて。ガブが、ただ案内してあげたいだけだって言ってたの。あなたが嫌なら、私、行かないってガブに言うから」

受話器の向こうの白々しい誠実さに、思わず笑いがこぼれた。

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